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現代の柔道は「柔」に似て「やわら」にあらず。昔日の「体を鍛え技を磨り、その完成されたもので世に役立つことこそ、柔道の目的である」とのありかたが「競技本位の勝つためだけのもの」になり下りつつある。
吾々の柔道は「人生を有意義に世に奉ずることこそ人の生甲斐なり」との指導観と人生観を持ってもらい、それらに共鳴する人、人の集まりが「柔」であり「朋」であると信ずる。現代の世に「人のたましいの尊さ」などと説けば笑う人が多いが、私らは、かかる物の考え方こそ、大切なれと信じて生きて行きたい。「柔の朋」に集う人々よ、お互いにいつも心で結びあい、遠近、親疎、老若、男女、思想、地位、風習、財力、名誉を超えて相集い苦言と誠心と愛情を常にいただき、行きぬこうではありませんか。 講道館柔道八段 田中清太郎先生 遺訓 PR |
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