今回のマルチャン杯は半年ほど前からいろいろと話をしていました。その中で僕は松井コーチに『今年はベスト８に入るのは難しいと思いますよ』と話をしていました。練習を見ていても期待ではなく不安の方が大きくなる一方でした。それでも松井コーチは『まー見とけ、何とかしたるし絶対ベスト８まで行かしたる』と言っていました。今までのマルチャン杯で松井コーチには奇跡を見せてもらいましたが正直、今年だけはまったく信用出来なかったです。組み合わせを見るととてもじゃないけど簡単に勝てる相手ではありませんでした。また不安が大きくなりました。試合直前、主将の悠太が大怪我をし試合に出れるかわからない状況になって僕の不安が絶望に変わりつつありました。試合の一週間前、練習には行けなかったけど練習の内容についてはほぼ毎日、松井コーチから聞いていました。試合が近づいているにも関わらず全く減らない練習量。それどころか試合一ヶ月前よりもきつい練習になっていると思いました。さらに試合の前に二日連続のうさぎ跳び。それも聞くだけで筋肉痛になりそうになるほどの量。僕の中では絶望でいっぱいでした。試合当日、会場に着くと高校生かと思わせる体の子ばかりでした。勝ち負けよりも怪我が心配になるほどでした。試合前のアップではストレッチしてると前日のうさぎ跳びでもの凄い筋肉痛で痛そうにしてました。しかし、試合が始まると本当にみんな一生懸命頑張っていました。その結果、接戦を勝ち抜きベスト８まで勝ち上がりました。後輩の頑張りに本当に感動しました。残念ながら５，６位決定戦では負けましたが、試合前に道場生全員で円陣を組み試合に臨む姿を見て、これが東方館だと思いました。まさに選手５人で戦うのでは無く東方館全員で戦っているんだと思いました。試合後のミーティングでは松井コーチと館長からの厳しい言葉が選手に送られていました。僕は聞いていてその一言一言に感動しました。お二人の話を聞いていて改めて僕は東方館に入って良かったなと思いました。今の中学生は松井コーチと館長の言葉を一生忘れないで欲しいです。最後にこれはマルチャン杯も見てていつも思うのですが今年もベスト８に入ったとこは東方館以外みんな集められたチームばかりです。東方館はみんな自分から入門し頑張ってきた子ばかりです。小さくて弱いときからみんなで励まし合って強くなって本当に仲も良いチームで近畿の上位に入るというのは凄いと思うし東方館と言う道場の素晴らしさを改めて感じます。全国には出れなかったけどこれで終わりじゃないし今回の悔しさをバネに夏の全中予選で頑張って欲しいと思います。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　粟津光博